家畜法定伝染病(読み)カチクホウテイデンセンビョウ

デジタル大辞泉 「家畜法定伝染病」の意味・読み・例文・類語

かちく‐ほうていでんせんびょう〔‐ハフテイデンセンビヤウ〕【家畜法定伝染病】

家畜伝染病

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百科事典マイペディア 「家畜法定伝染病」の意味・わかりやすい解説

家畜法定伝染病【かちくほうていでんせんびょう】

家畜伝染病予防法第2条に規定されている下記の25種の伝染病。その発生の際は,畜主および診断した獣医師は,直ちに市町村長に報告し,家畜防疫員の指示に従わねばならない。牛疫,牛肺疫,口蹄(こうてい)疫,流行性感冒,流行性脳炎,狂犬病炭疽(たんそ),気腫疽,出血性敗血症ブルセラ症,結核病,ヨーネ病,ピロプラズマ病,アナプラズマ病,鼻疽馬伝染性貧血豚コレラ,アフリカ豚コレラ,豚水疱病,豚丹毒,家禽(かきん)コレラ,家禽ペスト,ニューカッスル病,ひな白痢および腐蛆(ふそ)病(ミツバチ)。なお,犬の狂犬病については別に〈狂犬病予防法〉を定めている。
→関連項目ウイルス病検疫

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「家畜法定伝染病」の意味・わかりやすい解説

家畜法定伝染病
かちくほうていでんせんびょう

家畜伝染病予防法に規定されている 28種の家畜伝染病広義には,家畜伝染病予防法と家畜伝染病予防法施行規則により定められている 71種の家畜届出伝染病も含む。(1) ウシを主体とする伝染病 ブルセラ病(→ブルセラ症)と結核病は,細菌性の疾患で,ともに人畜共通伝染病であるため徹底した防疫策がとられ,発生率は低い。炭疽は土壌病といわれ,敗血症を伴う細菌性の疾患で致死率が高い。放牧牛などに集団的に発生する傾向がみられる。(2) ブタを主体とする伝染病 豚コレラは,全身症状,発熱,下痢を伴うウイルス性の疾患で,致死率はきわめて高い。(3) ニワトリを主体とする伝染病 ニューカッスル病は,全身症状を伴うウイルス性の急性疾患で,予防には不活性ワクチン,生ワクチンが有効。家禽サルモネラ感染症の一つの雛白痢(→白痢)は,介卵伝染による細菌性の白色下痢,敗血症を伴う幼雛の急性疾患。保菌鳥の検診による摘発淘汰が進み,発生率は低い。(→狂犬病口蹄疫鳥インフルエンザ

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改訂新版 世界大百科事典 「家畜法定伝染病」の意味・わかりやすい解説

家畜法定伝染病 (かちくほうていでんせんびょう)

〈家畜伝染病予防法〉により指定された伝染病。この法律は家畜の伝染病の発生の予防とそのまんえんを防止し,畜産の振興をはかる目的で施行されているが,この第2条に家畜の伝染病25種類が定められている(表)。これを法定伝染病と呼び,その伝染病にかかっているか,かかっている疑いのあることが発見されたときはこれを診断し,またはその死体を検案した獣医師は,定めに従って管轄する市町村長に届け出なければならない。またこれらの伝染病の疑いのある病畜はすみやかに隔離しなくてはならず,病気のまんえんを防ぐため,市町村長は当該家畜の移動の禁止をはかり,殺さなくてはならない場合もある。

 イヌの狂犬病については,別に〈狂犬病予防法〉を定めており,イヌの狂犬病に限ってこの法律の適用をきめている。しかし厚生大臣は,イヌ,ウシ,ウマ,メンヨウ,ヤギ,ブタ,ニワトリ,アヒル以外の動物に狂犬病が発生して公衆衛生に重大な影響があるときは,動物の種類,期間および地域を指定してこの法律の一部準用ができるとしている。
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